2023-01-01から1年間の記事一覧

絵画と文化 -芸術の社会性について-

ラスコーの洞窟壁画は有名だ。狩猟の記録なのか、儀式的なものなのか描画の目的は定かではない。しかし動物の姿が生き生きと描かれていたり、洞窟の岩の隆起を利用した立体的な絵を見ていたりすると、何とかしてバイソンやシカの丸味や重み、力強さを表現し…

絵画と光 ―芸術の社会性について-

今回は、絵画と光について書きたい。絵画の歴史はヨーロッパではキリスト教の宗教画がありその後、風俗画(ブルジョアジーの趣味)として風景画や室内画が生まれた。オランダのフェルメールやデンマークのハンマースホイの室内画は有名である。市民の日常風…

「触ってみよう!ワークショップ」 -芸術の社会性について- 

先日職場の福祉施設で、私が企画した地域対象のアートワークショップを行った。テーマは柔らかい紙粘土を使った感触遊びをベースにしながら自由に制作するというもの。自主性に任せて、成果を問わないというのもワークショップ概要で事前に伝えた。材料は硬…

ストリートアートとは何か ―芸術の社会性について-

前回建築と絵画について書いた。ぼんやり壁のことを考えていたら、壁画から落書きへとイメージが進んだ。落書きと言えば、90年代自分がニューヨークへ遊学した時は既に落書き(グラフィティ)は芸術と認識された後で治安も回復していた。ストリート文化も成…

建築と絵画 -芸術の社会性について-

先日、自宅の日本間に自身の絵画作品を飾った。その時、絵画の外側である本来壁と認識されるはずの壁が消えてしまったように見えた。畳に正座しながら辺りを見回して、日本間にある空間の一体性に改めて驚いた。隣にある洋間にいつも絵画作品を飾っているの…