2015-01-01から1年間の記事一覧

「薄い絵画」について。

最近描いている絵画作品のシリーズタイトルを「薄い絵画」とした。このシリーズは紙に描いたものとパネル布張りに描いたものを並行して制作しながら絵画の実在を追いかけようとしている。元々紙に描いていた仕事は習作のつもりで描いていた。パネル布張りに…

ゲルハルト・リヒター展を見た。

ワコーワークスオブアートでリヒター展を見た。まず目に飛び込んできたのは代表的なスキージ技法によるキャンバス作品、パネル作品があった。実際の作品が大きくなかったせいもあるが、一見大胆に見えるスキージ技法は非常に丁寧に色彩が重なっていてた。動…

成田克彦展

昨日東京造形大学に成田克彦展を見に行った。同時に成田克彦に纏わるシンポジウムが開かれ聴講した。まずは展覧会をと思ってギャラリーへ向かった。私の中では成田克彦はもの派の作家という認識であった。今回その辺の時代の空気を確かめたい欲望も存在して…

When I close my eyes 「目を閉じて作品を作る」展を振り返る。  

*目を閉じることで見えたこと。 今回7人の作家に「目を閉じて作品を作る」をコンセプトに企画者として制作を依頼した。この実験的な試みを快く引き受けて頂いたことに感謝したい。また会場を提供したKosmos lane studio&gallery の大原さんにも同様に感謝…

他者の身体になる

前回の施設の利用者の方の絵画制作にまつわる話の続きです。 角材絵画から平面の絵画へと戻った彼はどんな変化を見せるのか楽しみでした。まず、大きな画面に挑戦してもらおうという話になりました。ベニヤ板を横91cmx縦56cmに切りました。彼は車椅…

描くとはどういうことか?

随分間が空いてしまいましたが、書きます。職場の知的障害者施設での出来事。 利用者の方で、絵を描くというとアンパンマンなどを描いている方がいました。彼に何描いても良いんだよ、と促している中で魚を描いている時でした。魚の輪郭を描いた後、魚の胴体…

突然ですが、作品とは何か?

浅草橋にあるマキイマサルファインアーツへ、Fundamental展を見に行ってきた。美術家中津川浩章氏のキュレーションによる展覧会が行われている。私の職場の施設の利用者(施設では仲間と呼んでいる)の展覧会でもある。1階と2階で雰囲気が異なり、非常に示…

他者の身体

私は日々知的障害を持った人の身体介助をしている。その中で感じたことがあった。先日ある脳性麻痺の利用者が加齢に伴い、1週間ほど筋緊張(身体のこわばり)の強い日が続いた。普段よりも身体が反り返るような状態だった。私は何度も抱きかかえてトイレ介…

絵を描くということ

私が働いている知的障害者施設の利用者で、絵を描きたいのだけれどもどう描いたら良いのか迷っている人がいた。その時々で最初は描いているモチーフの新鮮さで楽しく描けるのだが、長続きしなかった。そんな中、その人の制作している様子を見ていると構成の…