2021-01-01から1年間の記事一覧

環境と作品 -芸術の社会性について-

環境について社会が関心を持つようになって久しいが、環境と芸術の関係はどうなっているのだろうか。作品から考えてみる。環境芸術という概念を持った作品が60年代末にアメリカ中心に主に彫刻という形で現れた。その先駆者には機械文明を環境と捉えてアイロ…

コンセプチュアルアートについて -芸術の社会性について-

芸術の形式の中にコンセプチュアルアートというものがある。元を作ったのはマルセル・デュシャンの既製品を使ったレディメイドという概念を持った作品群だ。デュシャンは、視覚芸術に対して新しい提案をした。それは既に我々の身の周りが芸術なのではないか…

セザンヌとジャコメッティ -芸術の社会性について-

画家ポール・セザンヌと言えば風景画と静物画で有名である。また、彫刻家アルベルト・ジャコメッティと言えば細長い人物の彫刻が有名だ。今回は一見違うが似ている二人の芸術家を比較してみたい。画家と彫刻家、ジャンルは違うがジャコメッティはセザンヌを…

ボイス+パレルモ展 -芸術の社会性について-

ボイス+パレルモ展に行って来た。ボイスとはヨゼフ・ボイスのことである。「人は誰もが芸術家である」と現実の民主主義社会を社会彫刻に見立て、芸術概念の拡張を問うたドイツの芸術家である。パレルモとは、ブリンキー・パレルモである。ボイスの芸術アカ…

ファーレ立川へパブリックアートを見に行く(2)。 -芸術の社会性について-  

二度目の来訪であるファーレ立川。前回は街中にアートが存在していること自体が自分の関心の中心であった。立川駅の米軍跡地に建てられた都市計画の中に溶け込むように存在するアート。昨今の地方のビエンナーレなどの芸術祭の先駆けになるパブリックアート…

ファーレ立川へパブリックアートを見に行く -芸術の社会性について-

ファーレ立川へパブリックアートを見に行って来た。ファーレ立川は1994年に米軍跡地に建てられた立川駅前の計画都市である。その中に屋外展示された作品が街の機能を併せ持ちながら、溶け込むように存在している。立川駅から降りると、空中遊歩道が街の真ん…

高島芳幸「旧高野家離座敷に色を注す」-芸術の社会性について-

画家であり、インスタレーション作家である高島芳幸の展示、「旧高野家離座敷に色を注す」をさいたま市大間木に見に行った。歴史的建造物と現代美術の出会いがテーマ。高野家は代々医者の家系であったという。家主である高野隆仙は江戸に出てシーボルトの弟…

フランク・ステラ -芸術の社会性-

最近良く現代アートのインタビュー動画を見ている。今回はアメリカの画家であり彫刻家のフランク・ステラ。フランク・ステラの巨大な壁画作品は三田のオフィスビルのロビーに飾られているのを見たことがある。忙しく行き交うサラリーマンの風景とマッチして…

リチャード・セラ 彫刻とドローイング

時節柄美術館への足が遠いと言う理由と、動画によるアーティストの肉声から得られるものに関心がある理由から巨大な鉄の彫刻家リチャード・セラのインタビュー動画を何本か見た。結論から先に言えば、やはり実際に作品を見るべきだということ。しかし、作家…

Sol LeWitt Art itself -芸術の社会性について-

ソル・ルウィットのウォールドローイングを見に竹橋の東京国立近代美術館に行こうとしたが、コロナ禍で諦めた。その代わりに動画で沢山のウォールドローイングや他の作品を見ることが出来た。ソル・ルウィットのウォールドローイングは設計図あるいは指示書…