お皿の周り。

 昨日静岡のグループ展でのパーティーで作家の寺田さんと話をした。寺田さんは食べ物が載っていたお皿を指して「私はこのお皿の周りが気になるんです」とお皿の周りにある何も無い空間を指して話してくれた。私は思わず「分かります、自分もです」と言った。何が分かったのだろう、でも分かる気がした。彼女が書いた言葉で実体だけではなく空間に興味があるというのがあった。空間をテーマにしている作家は沢山いるが、空間を一つの実体として考えている人を多く見受ける。寺田さんはそうではなさそうだ。毎日日記を付けているとのこと。その日あったことや食べたものをメモしておく。それと平行してドローイングを描く。するとそこにその日の思いが自然に浮き上がってくるという。それは時間の層が重なった空間を示していた。
 多分彼女の言う空間とは物としての空間ではなく事としての空間なのではなかろうか。今度聞いてみようと思う。