ジョセフ・アルバースが来た!

レストランなどでポスターが飾られているのでお馴染みのジョセフ・アルバースのhommage to the squareシリーズ。FBでアップされていたのでいいね!を押しながら,絵を見て衝撃が走ったので、その理由を書きたくなった。傍に画像が欲しいと思い、プリントアウトしてみた。ガガガと音を立てながら出て来たそれは、「あれっ?本物?」と思わず言ってしまった。。。。
 私は最近絵画の内側と外側(境界)について考えていた。いや、ずっと考えてきたのだがイメージがぼんやりしていてどう考えていいのか分からなかった。今度のグループ展で絵画の境界をテーマにした作品に取り組んでいて、これまた偶然に「穴と境界」という本まで見つけて境界のことで頭が一杯になっていた。
 そんな時に、このhommage to the squareに出会った。グリーンのグラデーションの中にポッカリ浮かぶ黒い正方形。一見、大きい正方形から中心に行くにしたがって明るくなり、中心の正方形だけ黒い印象がある。しかし、よく見てみると暗い>明るい>暗い>最も暗い(彩度は強い)とちょっとトリッキーな順番。大きな正方形から小さな正方形へ視線が向かっていると思ったら、絵画が絵画である面を決めているグリーンの正方形にもう一度目が行く。その前後の感覚が行ったり来たりすることがこの作品を絵画たらしめているのだが、作品のモチーフが正方形であるため、本質的に観念的である。もちろん本物とプリントアウトしたものでは質感も違うし、大きさも違うのでそのものではない。そのものではないが、目で見た印象は観念的な四角い図形であるため、プリントアウトしても本物と感じてしまう何かがある。私はその本物と勘違いしてしまうその錯覚に絵画の内側と外側の問題があるような気がする。それは同時に図と地の問題に繋がるのだが。。。