感情のグラデーション

 職場で障害を持つ方と過ごす内にあることに気がついた。我々は日々様々な感情と共に暮らしている。泣いたり、笑ったり、怒ったり、悲しんだり。そうした感情は、感情のゼロポイントというのがあるとすれば、そこを上に行ったり下に行ったりしているようなものだ。逆に、落ち着いている、あるいは穏やかな感情などは、静かな水面を見ているかのようなもの。
 私が何故一見当たり前のことを言っているのか。 それは、障害を持つ方で思考や、感情、行動に生きづらさを感じている人々がいる。彼らの感情の起伏は、まるで毎日ジェットコースターに乗っているようなもの。上がったり、下がったり忙しい。平穏に過ごすことが難しい。そんな彼らが見せる姿の中に、最初笑っていたと思っていると急に泣きだし始めたことがあった。私はそこに、感情とはグラデーションなのだなと感じた。本人は、笑い過ぎて感情が高ぶり、泣いている様子だった。 常識的に考えれば、笑う感情と、泣く感情は、別のものだ。しかし、底の部分では繋がっているのだと思う。